元小坂町長の川口氏など6人 秋の叙勲、鹿角関係

元小坂町長の川口氏など6人 秋の叙勲、鹿角関係

 国や公共に対し功績があった人に贈られる叙勲のことし秋の受章者が3日付で発表され、鹿角地域からは6人が選ばれました。

 小坂町の議員を昭和59年から2期6年間、小坂町長を平成2年から5期19年間務め、地方自治の発展に貢献した、小坂町野口の川口博さん、79歳に、旭日小綬章が贈られました。川口さんはのちに衆議院議員も3年3か月間担いました。

 大量生産に逆行する循環型社会づくりを国内でもいち早く掲げ、町民ベースの取り組みにとどまらず、歴史的な建物を復元した観光づくりや、鉱山技術を生かしたリサイクルビジネスで県内一の所得の町をつくり、世界的なサミットの誘致も実現しました。

 川口さんは、「大量の生産、消費、廃棄で、地球は悲鳴を上げている。あるものを使いこなしてこそ成熟社会にふさわしい。正しい政策をして、稼いで、赤ちゃんからお年寄りまで面倒をみる。そういう希望をのせた循環型社会を、国内で一早く始めた」と話しています。

 またその勝算は、「いろいろな人とていねいにつながれば、地方の町でも世界に太刀打ちできる」と考え、地方自治体では画期的な55人もの著名人の起用で政策を進めました。

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 続いて、鹿角市の議員を平成17年から5期、19年11か月務め、地方自治の発展に尽力した、鹿角市尾去沢瓜畑の倉岡誠さん、76歳に、旭日双光章が贈られました。

 全国の自治体で進んでいた議会基本条例の制定を求め、原案づくりを個人的に担うなど中心的な役割を担いました。その背景には、上下関係やしきたりの重視が強すぎた議会を変えなければいけないという思いがありました。

 倉岡さんは、「当時の議会がひじょうに封建的だった。議員が自らの思いで行動しやすい状況をつくりつつ、倫理的なことを守る基本条例。私の考えが主体的に認められて、私の素案で進められることになった」と振り返っています。

 いっぽう議場以外の活動も重視していたとし、「日常の事業や市民サービスの中身など、現場に注意を払いつつ行動することを大事にした」と話しています。

 次に、教師を昭和45年から35年間務め教育行政の充実に貢献した、鹿角市花輪大曲の元公立小学校長、髙杉政德さん、81歳に、瑞宝双光章が贈られました。

 中学校の体育教師をするなか、生徒たちを運動好きにさせる手法として、自分たちで工夫しながら体を動かす発想をもたせることを追求したそうで、自発的にプログラムをつくる、画期的な授業も行いました。

 髙杉さんは、「子どもが自分でものを考えて体を動かしていくような子どもづくり。それは生きることにつながっていく。子どもたちが自分たちで運動をつくっていくという授業をやったから、少しは進んだ体育の授業になれたかな」と話しています。

 また学級の生徒たちの心を一つにするために、学級対抗の行事の機会を大事にしたそうで、「自分たちで練習計画を立てさせて、やればできるって応援した」と振り返っています。

 続いて、保育業務を昭和49年から40年間担い、保育水準の向上に尽力した、鹿角市花輪舟場元町の元市立保育園長、青山裕子(ゆうこ)さん、73歳に、瑞宝単光章が贈られました。

 子どもたちの健やかな育ちには、周りの人たちの温かさが欠かせないと考えていました。そのために保育士たちのチームワークが大事で、そこから、子どもたちが楽しい、保護者がうれしいという連鎖ができていたと考えています。

 青山さんは、「子どもは周りが温かくなければ健やかに育っていかない。チームワークがないと保育は進まない。保育士の心が穏やかで、仕事が楽しいと子どもたちにも楽しさが伝わり、子どもたちが楽しいと親もうれしくなる」と話しています。

 印象深い出来事に震災を挙げ、「それ以降は、有事に逃げるべきか、その場にとどまるべきかなど、どうすれば命が助かるかという想定を必ずもっていた」と振り返っています。

 次に、消防団員を昭和48年から38年間務め消防の発展に尽力した、鹿角市錦木沢尻の元鹿角市消防団分団長、沢田(さわだ)正春さん、75歳に、瑞宝単光章が贈られました。

 団の活動以外でも団員同士が日ごろから助け合うなどのつながりの強さは、厳しい現場を共にし、無事に終え、だれかのために貢献できたという思いを団員たちで共有できているからだと話します。

 沢田さんは、「火災現場に行って、一生懸命活動して、その火災現場から帰ってくる時の胸のうちっていうのが、人のために役に立ったなっていう、出動したみんなが同じ気もち。それが、時間が経ってもずっとみんなの心の中にある」と話しています。

 また分団長になってからは団員の安全を最優先したそうで、「だれもけがをさせないのが、分団長の務め。一人もけが人が出なかったのは私の活動の宝もの」と振り返っています。

 続いて、消防団員を昭和57年から34年間務め消防の発展に尽力した、鹿角市末広大欠の元鹿角市消防団副団長、割石博之さん、71歳に、瑞宝単光章が贈られました。

 様々な背景がある各分団の意思を統一するために、各分団長それぞれの意見を聞くことに徹しました。その結果、会議などで、だれかがわだかまりをもったまま閉会することは一度もなかったそうです。

 割石さんは、「知恵を出して、みんなで協力するためにどうしたらいいかを話し合ってほしい、ということを大事にした。副団長になってから、会議などでへんな雰囲気になったことは一度もなかった。最後は笑って、よし頑張ろうとなった」と話しています。

 そうした消防団の活動を振り返り、「自分自身を律するということを教えてもらった。今の自分に生きている」と考えています。

 ことし秋の県内の褒章、叙勲の受章者への伝達は、一部の受章者を除き、5日に県庁で行われます。