十田撓子さんが故郷の図書館で朗読会 鹿角市

十田撓子さんが故郷の図書館で朗読会 鹿角市

 鹿角市出身の詩人、十田撓子(とだ・とうこ)さんの朗読会が故郷の図書館で開かれ、つむいだ詩人が語る言葉の響きを来場者たちが味わいました。

 十田さんは鹿角市大湯で生まれ育ち、詩壇の芥川賞ともいわれるH氏賞の受賞をはじめ、各賞のノミネートも続く、詩壇で注目されている詩人です。

 クマの問題がクローズアップされるなか、存在に多角的にふれてもらおうという朗読会をことし春から各地で開いているそうで、十和田図書館の1周年記念で招かれました。

 11日、ファンたちおよそ40人を前に十田さんは、「この図書館は小学生のころも利用していたので、書物や文化にふれた最初の土地です」と話し始めました。

 そして、クマを取りあげた、自身とほかの詩人の作品9編を朗読しました。

 クマの動きに思いを寄せたもの、死んだクマに語りかける作品など、詩ならではの世界観が広がっていきます。

 十田さんの作品「あさつなぎ」は、大湯の深い山の中で、クマの足跡を見つけた場面をしたためたものです。

 「見えないおそれ、ふるえ」「人食い熊」などの鋭い言葉と、「おかえりなさい」「あなたの夢の跡」といった温かい表現が表裏一体でつむがれるなか、足跡が途中で消えていることに気づき、そばにいるのではと、はっとするシーンで作品が留めおかれており、余いんが秀逸です。

 十田さんの朗読は情感たっぷりで、訪れた人たちは作者が語るぜいたくを味わいつつ、じっくりと作品の世界にひたっていました。

 鹿角市花輪の30代の女性は、「小学生の時の教科書にあった詩を自分なりに読んでいましたが、十田さんの朗読を聞いて解釈が変わりました。感動しました」と喜んでいました。

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