かつて地域に繁栄と幸福をもたらした鉱山の発見にまつわる鹿角市尾去沢の神楽が、人手不足も乗り越え、奉納されました。
「大森親山(しんざん)大権現舞」は、人々に恐怖をもたらした怪鳥が獅子に退治され、亡きがらから金が見つかって鉱山の発見につながった伝説をもとに、獅子をたたえる舞いとして、室町時代の1481年から500年以上続けられているとされます。
尾去沢尾去(おさり)にある八幡神社の秋の例大祭の15日、保存会の会員たちが、前段の舞を演じたあと、「米汲み(よねくみ)の舞」と呼ばれる獅子舞を奉納しました。
この舞は、ありがたい正月の湧き水を獅子が飲む動きが表現されていて、全国でほかに例がない貴重な芸能として、秋田県の無形民俗文化財に指定されています。
勇ましい囃子(はやし)が奏でられるなか、獅子役の二人の男性が、獅子が踊り跳ねるようにして喜んだあとに水を飲むまでの一連の動作を躍動的に演じました。
この日、保存会の会員2人が体調を崩すなどして来られなかったため、ОB2人が衣装はなかったものの急きょ代役を務め、奏者と舞い手あわせて8人がようやく確保されました。
長年、例大祭の準備に携わっているという男性は、「50年ほど前は保存会員も参拝者も大勢来て、神殿に人が入りきれないほどだった。氏子総代や保存会の頑張りで保っており、何とか続いてほしい」と話していました。
保存会の黒澤文男会長(79)は、「地元の人たちの神社や伝統芸能に対する思いが変わってしまっている。6年前から中学生への伝承を続けているので、将来の成果に期待している」と話しています。

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