大湯環状列石の特徴、魅力の重視求める 整備の検討委

大湯環状列石の特徴、魅力の重視求める 整備の検討委

 世界文化遺産の鹿角市の縄文遺跡「大湯環状列石」の大規模な再整備に向け、市が基本設計の骨子をまとめました。専門家たちからは、大湯環状列石の特徴、魅力を重視するよう求められました。

 大湯環状列石は最初の環境整備からおよそ20年が経ち、世界遺産登録や県道移設などで新たな対応が必要になり、市が第二次の環境整備を今年度にスタートさせました。

 これに対し専門家が意見を寄せる検討委員会が15日に開かれ、市が骨子を示しました。

 それによりますと、園路は県道の移設を想定して新たに、メーンのおよそ1キロと、全体を周遊するおよそ1.7キロの2種類を、ビューポイントを巡る形で設け、また内側の芝生のエリアは、環状列石内を除き自由に歩けるようにする計画です。

 環状列石の周りに建つ「掘っ立て柱建物」は、現在と同じ12棟を復元しますが、柱を土に接しないようにして耐久性を高める方針です。

 また石が並ぶ遺構は、草が多くなって見えにくくなっているため、対策をしたい考えです。

 委員からは、「掘っ立て柱建物が遺跡を囲むように存在していたことを初めて示したのが大湯環状列石であり、今回もそのまま復元したい」との意見がありました。

 また石が並ぶ遺構の雑草対策で、周囲の土を固める処理を想定している市に対し、委員からは、「ここの魅力は現物展示であり、見て感じることを大事にしたい」とか、「20万平方メートルの草原を歩けるのも大きな売りであり、再検討してはどうか」との助言が出ました。

 いっぽう会議で県教育委員会の職員が、遺跡の中央を通る県道の移設について、これまでの設計、調査を経て、今年度に道路事業として着工の段階に移ったことを説明しました。

 大湯環状列石は2つの環状列石の位置が夏至の太陽の動きを示すように設計されたとされていますが、それを分断する形で県道が通っており、5年前の世界文化遺産登録の際にユネスコが県道を不適切な要素と勧告していました。

 縄文研究の権威で、大湯環状列石の調査、整備に長年関わっている、盛岡大学名誉教授、熊谷常正さんは、「県道の移設は、大湯にとって発見ぐらい大きな出来事だ。地元に愛され、世界遺産にふさわしい遺跡にしていくことがますます重要になる」と話しています。

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