小坂町の観光芝居小屋「康楽館」で恒例の、歌舞伎界の人気役者たちによる公演が幕を開け、目の前の熱演に大きな拍手が送られました。
これは、明治時代からある芝居小屋で本物の歌舞伎を見てもらおうと、施設が復興した翌年の昭和62年から町が松竹を招き、続けているものです。
40回めの節目となったことしは、尾上菊之助改め八代め尾上菊五郎の襲名披露公演が行われ、康楽館は16年ぶり、4回めとなった八代め、菊五郎と、12年ぶり、3回めの片岡愛之助ら人気役者がそろいました。
用意された4つの公演すべてが予約でほぼ席が埋まる人気となり、初日11日の午前の部には、首都圏、関西の団体や近隣の歌舞伎ファンなどおよそ520人が訪れました。
菊五郎、愛之助それぞれによる、二幕の華やかな舞踊のあと、役者たちによる口上で菊五郎が、「伝統と革新の精神にのっとり、精進してまいります」と言い切りました。
続く芝居は、江戸の世話物の名作で、菊五郎家のお家芸「魚屋宗五郎」です。
不義の罪で非業の死を遂げた妹を思い、禁じていた酒を自らあおって、殿の屋敷へ駆け込む宗五郎を菊五郎が演じ、「片肌脱ぎ」の暴れようや、屋敷で怒りをぶつける熱演に、観客たちがくぎ付けになっていました。
また愛之助は殿を演じ、宗五郎の思いを受け止めて自らの非をわびつつ、無礼を不問にするとともに、黒幕の部下を成敗する約束をし、その人情味あふれる演技が感動を呼んでいました。
岩手県葛巻町から来ていた60代の女性は、「大きい会場と違ってここは、役者の息遣いや目線、着物の柄まで分かるので、10回以上来ています。菊五郎さんと目があった気がして、どきどきしました。最高の思い出になりました」と興奮した様子でした。
いっぽう、役者や観客たちの出迎えに地元の自治会、商工会、老人クラブ、企業などがことしも参加し、町ぐるみで公演を支えました。









