胸打つストーリーと素朴な演技 鹿角市の市民劇団

胸打つストーリーと素朴な演技 鹿角市の市民劇団

 鹿角市の市民劇団の定期公演が行われ、胸を打つストーリーと素朴な演技で観覧者たちを楽しませました。

 平成4年の旗揚げから続く、鹿角市の「演劇を楽しむ会」の34回めの定期公演が、28日まで2日間、花輪の「コモッセ」で行われました。

 劇団の高木豊平さんが書き下ろした今回の芝居「注文の少ない料理店」は、宮沢賢治の世界観をベースに、真の豊かな暮らしや、幸せな人生にふれることができるストーリーです。

 不便なはずの山の中の暮らしですが、そこにいる人たちは笑顔があふれ、周りの人たちの愛に包まれているという姿を、市民17人が演じました。

 亡き妻の夢だった料理店を山の中で開業した男性は、思い出がある限り妻は生きていると前向きに捉えていて、心地よい自然にふれながら、「きょうもかぐわしい風が吹いているよ」と、笑顔で妻に語りかけていました。

 いっぽう、山の中の墓地に墓じまいで訪れた夫婦は、思い出話をしているうちに恨み節のオンパレードとなりますが、お互いの思いの根底に愛があることにふれ、笑顔と優しさを取り戻していました。

 観覧者たちは、市民劇団らしい素朴な演技と、胸を打つストーリーに見入るいっぽう、恒例の「一本刀土俵入り」の劇中劇などで笑い声も上げていました。

 訪れていた30代の男性は、「宮沢賢治の世界とあたたかいストーリーにふれて、心が和みました。観客が舞台を見守っているような雰囲気も、市民劇団の公演らしくて良かった」と話していました。

 演劇を楽しむ会の村木哲文会長(79)は、「これからも楽しくて、夢があって、あすへの力がわく公演をしていく」と話しています。

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