古き良き昭和の味、80年に幕 鹿角市の食堂

古き良き昭和の味、80年に幕 鹿角市の食堂

 古き良き昭和の味、たたずまいで、世代を超えて愛されてきた鹿角市花輪の食堂が、およそ80年の歴史を閉じました。

 花輪谷地田町の「食堂平和」です。店によりますと、現在の店主、遠藤和夫さん(76)の母、チヨさんが、昭和21年に創業しました。ラーメンがごちそうの時代でした。

 そろって訪れた近所の家族を笑顔にし、通った子どもが大人になると、その子どもを連れて訪れました。近くの市場が大盛況だったころは、出前も重宝されました。

 ラーメンの麺は自家製の手打ちです。仕込みに1時間以上かかりましたが、遠藤さんには、味を守り続ける一心と、店を愛してくれる客への感謝に勝るものはありませんでした。

 食堂とあって、定食、丼ものなど、多彩なメニューで常連たちを楽しませ、納豆みそラーメンや、ラーメンと同じ麵を使った焼きそばなどの独自のメニューも、常連たちがメニュー表を見ずに頼んできた、大好きな味です。

 なかでも一番人気は、かつても現代も、ワンタンメンでした。ふわふわののど越しのワンタンは、もちろん自家製です。「本当はいろいろなメニューを食べたいのに、来るとワンタンメンばかり頼んでしまう」と笑う人も多いそうです。

 閉店は、遠藤さんの体力面を理由に去年から考えていて、先月31日を最終日と決め、残り1週間となってから知らせの紙を張りました。静かに店を閉めたい思いからです。

 しかし最後の日の昼どきは、食べ納めで東京から来た出身者や、3世代そろっての家族など、常連たちで席がほぼ埋まりました。午後1時すぎには品切れとなり、やむなくのれんを下ろしました。

 訪れた人たちは最後の機会を惜しむようにしながら、なじみの麺をすすっていました。

 小学生の時からのファンという50代の女性は、「いつでも食べられると思っていたので、とてもさみしいです。長い間、ここだけの味をありがとうございました」と話していました。

 遠藤さんは、「先代からのお客さんや、花輪を離れても帰省のたびに寄ってくれる人もいた。町内のみんなにも世話になった。感謝ばかりです」と話しています。

最後ののれん下ろし
(写真はクリックすると見られます)

DSC_0481