大湯環状列石の大規模整備案まとまる 鹿角市

大湯環状列石の大規模整備案まとまる 鹿角市

 世界文化遺産の鹿角市の縄文遺跡「大湯環状列石」の大規模な整備に助言をする委員会が開かれ、最終案がまとまりました。

 大湯環状列石は環境整備からおよそ20年が経ち、世界遺産登録や県道移設など新たな対応が必要になり、市が第二次の環境整備を来年度から10年間で行います。

 その基本計画に専門家が意見を寄せる検討委員会が21日に大湯ストーンサークル館で開かれ、市が案を示しました。

 遺跡内では、県道の移設の終了が10年以上、先になる見とおしのため、県道がある場所の整備は残しておき、移設後につないで完成させる方針です。

 見学者向けに、各地で遺構などを一望できるビューポイント12か所と、それらを結ぶ、約1キロと約1.7キロの2つの周遊ルートを設ける計画です。

 また、遺跡中心部の立ち入り規制以外のエリアは、これまでと同様に草地とし、自由に歩けるようにする考えです。

 いっぽう、出入り口が県道の移設後に、信号がある交差点の近くに変わり、また現在駐車場のスペースは、休憩や子どもの遊び場、イベントなどで使える、人工芝の広場にするとともに、倒れるおそれが出ている、かつて市民が植えた遺跡内のサクラを移植させる計画です。

 このほか、重要文化財への指定が見込まれる出土品の適切な保存、管理などのために、ガイダンス施設を改修、増築することとし、知識と感動のバランスのとれた展示にして一般の見学者を増やすとともに、カフェや売店も入れる構想です。

 会議で委員からは、「整備の目玉は県道の移設で遺跡の環境が大きく変わることであり、2つの環状列石の一体感などを体感できるようにするべき」とか、「夏至、冬至の太陽の動きなど、この遺跡で強調したいことをしっかり示してほしい」などの意見がありました。

 市はこの日の意見のほか、今後文化庁にも意見を求めたうえで、今年度中に計画を完成させることにしています。

 鹿角市教育委員会では、「史跡の本質的価値を適切に保存し、次世代へ継承するための環境整備にする」としています。
 
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