啓翁桜の出荷スタート、去年より1日早く 鹿角市内

啓翁桜の出荷スタート、去年より1日早く 鹿角市内

 出荷が早いほど高値で取引される装飾用のサクラ「啓翁桜」の産地化が進む鹿角地域で、今シーズンの出荷が始まりました。去年より1日早いスタートです。

 啓翁桜は正月飾りや式典の装飾などで使われていて、鹿角市でも冬の農業所得を増やそうと、産地化が進められています。

 鹿角市での栽培開始から12年めのことしは、7軒の農家と3つの法人であわせて6.3ヘクタールで栽培していて、地元の農協への最初の出荷が15日に決まりました。

 それに向けて14日は、花輪用野目の作業場で栽培者たちが、花の芽を目覚めさせるためにお湯につけていた枝を束ねるなどしていました。

 栽培グループの会長、佐藤義隆さん(70)によりますと、栽培の技術が年々高まっていて、ことしは猛暑と干ばつの影響が心配されましたが、これまでで最も品質の良いものに仕上がったということです。

 さらに、いち早く出荷しようと、早出しするおよそ千本を先月におよそ3週間、標高千メートルにある八幡平のスキー場に保管したことで、枝に冬と錯覚させる休眠の日数を通常より3日ほど減らせたということです。

 15日に出荷する啓翁桜は、東京の市場で17日に競りにかけられる見とおしで、日本一早い市場出荷になればブランド化に弾みがつくとして実現が期待されています。

 去年は日本一早い出荷を実現しましたが、ことしはそれより1日早い動きになっています。

 佐藤さんは、「管理の技術を大事にする人たちがていねいに育てており、ことしもいいものを出荷できそうだ。鹿角の啓翁桜のブランドを高め、冬の農業所得の向上につなげたい」と話しています。

 鹿角地域の啓翁桜は、過去最多となった去年並みのおよそ2万5千本の出荷が計画されていて、東京の市場のほか、地元でも販売される予定です。

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