鹿角市のユネスコ無形文化遺産「大日堂舞楽」の奉納の時だけ供えられるしめ縄を15年ぶりに新しくする作業が行われ、地元の人たちが丹精込めて作り上げました。
大日堂舞楽は1月2日に鹿角市八幡平の大日霊貴(おおひるめむち)神社で奉納されますが、「大綱(おおつな)」と呼ばれるしめ縄が、この奉納の時だけ、舞台のほぼ真上の、高さおよそ10メートルの梁と梁の間に供えられます。
神社によりますと、大綱の新調はおよそ12年に一回のペースで行われてきましたが、コロナ禍やわらの調達の都合などで、今回は15年ぶりとなりました。
14日、「能衆(のうしゅう)」と呼ばれる舞楽の担い手たちと地元の人たちおよそ30人が神社に集まり、作業を始めました。
わらをたたいて柔らかくする人、一握り分に分けて束ねる人、編んで綱にする人など、役割分担、連携は巧みで、さすが集落のまとまりの良さです。
前回の作業を録画した動画を一部の人たちが見たうえで臨みましたが、15年ぶりとあって慣れていない人たちも少なくなく、古老たちの指示のもと、ていねいに作業していました。
作業した30代の男性は、「千200年という長い歴史のなかに関わらせてもらい、ありがたいし、誇らしいです。続けられてきたことをそのまま受け継ぎ、子どもたちに引き継ぎたい」と話していました。
この12年に一度の作業に4度めの参加という齊藤末治(すえじ)さん(82)は、「50年前も今も、こうしてみんなが集まってくれているのは、舞楽が地元の宝物だと強い思いをもってくれている表れだと思う。頑張って続けていってほしい」と話しています。
完成した長さおよそ25メートルの大綱は、元日に供えつけられ、翌2日には舞楽が奉納されます。
神社の禰宜(ねぎ)、安倍良直(よしただ)さん(45)は、「気もちのある人にたくさん集まっていただき、ありがたいです。来年はひのえうまの年なので、活気のある一年になるよう祈ります」と話しています。

(写真はクリックすると見られます)







