鹿角高の同好会が全国切符 毛馬内の盆踊

鹿角高の同好会が全国切符 毛馬内の盆踊

 秋田県の高校生たちが郷土芸能を発表し合うコンクールで、鹿角市の鹿角高校が毛馬内の盆踊を発表し、初の全国切符をつかみました。

 鹿角高校の伝統芸能同好会は、地元のユネスコ無形文化遺産「毛馬内の盆踊」の踊り、演奏に磨きをかける活動をしていて、先月、湯沢市で開かれた第58回秋田県高校郷土芸能発表会で、出場した7つの高校のなかで、最優秀賞に次ぐ優秀賞を獲得しました。

 盆踊りの保存会によりますと、このコンクールには前身の十和田高校時代の13年前から出場していて、優秀賞は2度受賞していますが、全国大会の出場権の獲得は初めてです。

 今回のコンクールには同好会員7人全員で出場する予定でしたが、1人がインフルエンザによる欠場となり、急きょ6人で挑みました。

 披露した3曲のうち1曲は、演奏なしで歌にあわせて踊るものですが、欠場により歌い手が1人だけになったため、息継ぎのためのアレンジを急きょしましたが、歌、踊りともぴたり合わせられた、心の強さもあっての入賞です。

 また、本番の盆踊りでは歌い手と踊り手を別の人が担っていますが、同好会では人数が少ないため、歌い手が踊りながら歌う難しさを乗り越えています。

 唯一の歌い手を務めた1年、榊優羽(ゆうわ)さんは、「しっかり練習してきたという自信があったので、乗り切れると思った。全国大会でもみんなの心に伝わる歌と踊りを披露したいし、伝統芸能をやっている高校生が格好いいと思ってもらいたい」と話しています。

 全国大会が次の年度に開かれるサイクルのため3年生の活動はここで終了ですが、3年、加賀華月部長は、「みんなが楽しみながら活動していることが、いい結果を生んだと思う。全国大会でもいつもの踊りができれば、結果は自然とついてくるはず」と期待しています。

 10日夜、同好会員たちが保存会に結果を報告すると、「次は文化部のインターハイだ」などとげきが飛ぶとともに、練習日を追加したスケジュールが示されるなど、教える側もやる気満々といった様子です。

 指導を続けている同好会の馬渕大三会長(72)は、「この子たちは、小学生のころから踊っている素地があるし、基本に忠実なのがいい。全国大会でも堂々とやってくれると思う」とうれしそうに話しています。

 来年の全国高校総合文化祭は、7月と8月に秋田県を会場に開かれます。

(写真はクリックすると見られます)