医療の窮状、市民と意識共有の求め 鹿角市議会常任委

医療の窮状、市民と意識共有の求め 鹿角市議会常任委

 鹿角市の12月議会は常任委員会が開かれ、医療に関する委員会では、医療体制の縮小が続く厳しい状況を市民に知ってもらうための一層の努力が、議員から市に求められました。

 11日に開かれた教育民生委員会では、市が市内の医療機関に対し行ったアンケートと、市が先日開いた医療の計画づくりに関する住民集会の結果が取り上げられました。

 医療機関へのアンケートでは、将来も継続できると答えた病院、診療所の割合が全体の3分の1にとどまるなど、地域での医療の維持に厳しい見とおしが表れています。

 また市は、そうした状況を市民に理解してもらったうえで、地元に残せる医療を市民と考えようと、今月7日に住民集会を開きましたが、参加者はおよそ30人にとどまりました。

 委員会で議員からは、「今ある医療を受け続けられるのが当たり前と思っている人たちに厳しい状況を理解してもらわないと、体制が縮小した時に反発になる。医療の現状を知ってもらうべきだ」との意見が出ました。

 ほかの議員からも、「医療を心配に思っている人は多い。いろいろな人の意見を聞いてほしい」との求めがありました。

 市側は、「市民に理解してもらったうえで、どういう医療を残せるかを決めることが大事と考えている。意見を聞く場のつくり方を工夫していく」と答えました。

 いっぽう市の総合的な計画について審議する総務財政委員会では、1人の議員の主張と市の説明がかみ合わない状況がおよそ1時間続く場面がありました。

 基本構想と呼ばれる計画の審議であったもので、1人の議員が様々な分野を取り上げながら、記述に具体性が欠けていると疑問視する主張を繰り返しました。

 これに対し市側は、基本構想は方向性を示すもので、具体的な取り組みは、連動する別の計画で示すという仕組みを繰り返し説明しました。

 議員の指摘には、市の現状のみを示すべき文章のなかに、対策を追記するべきとか、「男女共同参画」としていた以前の表記を、「男女にとらわれない多様性」と表現を広げたことに対し、「男女共同参画の取り組みをやりきったのか」とただす場面などがありました。

 基本構想は12月議会最終日の19日に採決が行われます。

教育民生委員会
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総務財政委員会