クマ異常出没「今後も起こるもの」 鹿角市、一般質問

クマ異常出没「今後も起こるもの」 鹿角市、一般質問

 鹿角市の12月議会の2日めの一般質問が10日に行われ、ことしのクマの異常出没を踏まえ笹本市長は、「今後も起こるものと捉え、捕獲体制の一層の強化を図る必要がある」との認識を示しました。

 対策を浅石昌敏議員に問われたなかで笹本市長は、「今後もこのような異常出没が起こるものと捉え、捕獲体制の一層の強化を図る必要がある」とし、人の生活圏へのクマの異常出没を一過性のものと捉えず、捕獲をさらに進めていく必要性を指摘しました。

 また市によりますと農業被害が先月末までで1千200万円あまりにのぼっていて、課題について笹本市長は、「適時の収穫や電気柵の設置などを促したが、管理が徹底されていない農地でクマが頻繁に出没し被害が発生したケースも多くあり、市民の理解と協力なくしては被害を防ぐことは難しい」との考えを示しました。

 今後については、「本格的な冬が到来するが、警戒を緩めず対応する。人身被害、農作物被害の防止とあわせ、クマが人の生活圏に出没しない環境づくりを進めていく」としました。

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 トイレのリフォーム補助の拡充を安保真希議員に求められた市側は、「住宅改修支援補助金のトイレの水洗化への活用は1件で、若者移住者の多くは実家へのUターンだ。補助金は来年度から見直し、住宅のリフォームにはほかの補助の活用を促していく」としました。

 クマ出没の長期化による子どもたちの健康の対策を奈良明日香議員に求められた市側は、「屋外活動が制限され、体力低下やストレスの増大が懸念されている。状況に応じ活動を屋内に切り替えるなど、適切な対応を引き続き各校に働きかけていく」と答えました。

 ごみ処理の広域化の進ちょく状況を成田哲男議員に問われた市側は、「ごみの減少が見込まれるなか、大館、鹿角の2市1町の協議会で持続可能な処理体制を検討している。民間事業者の提案の募集で、3社から具体を受けた。今年度末までに方向性を示す」としました。

 市内小中学校のいじめの発生状況を保田直美議員に問われた市側は、「昨年度は190件を認知したが、重大事態に及ぶいじめは発生していない。解消率は73.2%と、全国平均とほぼ同じで、解消していない事案も適切な対応が行われている」と答えました。

 文化財での飲食、物販や観光コンテンツとの連携強化を赤坂勲議員に求められた市側は、「来年度に始まる総合計画で、文化財の保存、活用と観光施策を一体的に位置づけており、観光コンテンツとして磨き上げ、外貨を獲得する視点を明確に盛り込んだ」と説明しました。

 協力と連携の協定を結んでいる東京都葛飾区との関係の進展を栗山尚記議員に求められた笹本市長は、「来年度は協定締結から10年の節目でもあり、来週16日に青木区長を訪問し、両市区のメリットとなる交流の発展についてトップ協議を行う」と説明しました。