「温泉文化」などユネスコ遺産の国内候補 国の文化審議会

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 ユネスコの無形文化遺産の国内候補に、「温泉文化」と「神楽」が選ばれました。温泉郷を多くもつ鹿角市でも登録への期待が寄せられています。

 国の文化審議会が28日に開かれ、国連教育科学文化機関(ユネスコ)の無形文化遺産に新たに登録する候補として、温泉文化と神楽を提案することを決めました。

 温泉文化は、四季を感じ、自然と交わり、神を感じることによる心の癒しと、温泉の効能による体の癒しを得る、日本人の社会的慣習と位置づけられています。

 また神楽には、全国40の国指定文化財が名を連ねています。鹿角市の文化財は入っていません。

 国は来年3月末までにユネスコに提案書を提出する予定で、提案の優先は神楽、温泉文化の順となっています。

 温泉文化に関するユネスコの動きは、5年後、令和12年11月ごろの評価機関による勧告、翌12月の審議、決定が見込まれています。
 
 鹿角市には3つの温泉郷があり、八幡平には湯治が根づき、湯瀬は美人の湯として知られ、大湯には共同浴場という住民に密着した文化があります。

 地元ではユネスコ登録による盛り上がりが期待されていて、鹿角市産業観光課では、「市内には3つも温泉郷があるとともに、それぞれで古くからの文化や特長がある。強みをさらにアピールしつつ、人を呼び込みたい」としています。

 鹿角市にはユネスコ無形文化遺産として、「大日堂舞楽」、「山・鉾・屋台行事」に含まれる「花輪祭の屋台行事」、「風流踊」に含まれる「毛馬内の盆踊」の3つがすでにあるほか、有形の世界遺産「世界文化遺産」に登録された「大湯環状列石」もあります。