自衛隊派遣で平日対応力が向上 鹿角市、クマ対策

自衛隊派遣で平日対応力が向上 鹿角市、クマ対策

 鹿角市はクマの異常出没を受けた自衛隊の派遣により、クマ対策で平日の対応力が上がったと議会に報告しました。

 秋田県は、知事の防衛省への要望で自衛隊の後方支援を受けられるようになり、鹿角市などに自衛隊員が派遣されています。

 市によりますと市内では、今月5日の受け入れ開始から14日までに、派遣された自衛隊員18人で、クマ捕獲用のおりの移設で20回、捕獲したクマの搬出で3回、ドローンによるパトロールなどで9回の活動が行われています。

 20日に開かれた市議会の産業建設委員会で市は、「平日の対応力が上がった」などと報告しました。

 市によりますと、おりの設置ではこれまで、4人の猟友会員が必要でしたが、おりを運ぶなどの作業を自衛隊員が行うようになったため、猟友会員の人手はクマの警戒にあたるための2人だけで済むようになったということです。

 市側は、「猟友会員は仕事をもっている人がほとんどのため平日に動ける人が少ないが、あしたにでもおりを置いてほしいという時に対応できるようになった」と説明しました。

 いっぽう委員会では、市内のクマの出没について、目撃の報告が先月末までだけで、過去最多だったおととし1年間の2.5倍となる782件、人身事故が7件、農作物など物損被害が145件にのぼっており、市は「深刻な状況になっている」と説明しました。

 要因について、クマの主食のブナの大凶作のほか、ドングリなどの山の実りも少ないこと、また本来おくびょうとされるクマが人の生活圏に入り込むケースが増えたこと、さらに、人里に下りてきたクマがソバやコメなどを食べることを学習したことなどを挙げました。

 そのうえで、「今後も警戒をゆるめることなく、メールをつうじた市民への注意喚起はもとより、果樹などの早期収穫、商店などの自動ドアの手動化などを呼びかけていく」としました。

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