クマ対策で議員が研修会 鹿角地域

クマ対策で議員が研修会 鹿角地域

 クマの市街地への出没が続発し、市民が危険にさらされるなか、議員たちが問題を共有する研修会が鹿角市で開かれました。

 これは、22日に花輪のホテルで開かれた鹿角市と小坂町の議会の研修会です。鹿角市の議員は前の週にもクマ対策の研修に参加しており、事態の深刻さが表れています。

 講師を務めた鹿角市農地林務課の青山真主幹は、クマ対策の担当10年めの経験を踏まえ、ことしのクマと人の距離について、「ことしはこれまでにない状況」と危機感を表しました。

 人の身近に迫ったケースとして、ごみ集積所の破壊や、空き家への侵入などを示し、夜のごみ出しや、空き家内のハチの巣の放置など、クマを引き寄せる人為的な要因があるとしました。

 また山林内に大量のリンゴなど「農業ごみ」を捨てているケースについて、クマが食べ物に慣れて、人里の畑へ、そして市街地へと呼ぶことになると指摘しました。

 それらクマを市街地に引き寄せない対策とともに、人身事故を防ぐために必要なこととして挙げたのが、自分の身を守る意識を地域全体でもつことです。

 青山主幹は、「出没したと通報したら終わり、おりを置いたら解決では決してない。クマを呼び寄せる要因を知るとともに、散歩をひかえたり家に鍵をかけたりするなどの対策を、地域の人たちに呼びかける力を貸してください」と協力を求めました。

 またこの異常事態のなか、自治体がクマ対策に取り組むための人の数と財源が不足しているとし、議員による対応を依頼しました。

 参加していた鹿角市の男性議員は、「クマを集落に呼び寄せない、人身事故を防ぐ対策を地域の人たちに啓発し、ともに行動したい」と話していました。

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