豚熱の発生を想定し演習 鹿角地域

豚熱の発生を想定し演習 鹿角地域

 去年8月の初確認以降、豚熱に感染した野生のイノシシの侵入が確認されている鹿角市で、養豚施設で発生した場合に対応にあたる県などの職員たちの演習が行われました。

 豚熱は人には感染しませんが、イノシシや豚の致死率が高く、鹿角地域には養豚施設が多いため、感染が確認された時の拡大の防止が重要になっています。

 秋田県鹿角地域振興局が毎年行っている、養豚施設での発生を想定した演習が21日にあり、県の職員のほか、鹿角市、小坂町などの関係者およそ60人が参加しました。

 はじめに、管内の養豚施設での発生の疑い、そして発生が確定した際の流れについて、参加者たちがそれぞれの役割ごとに対応を確認しました。

 発生後の対応では、振興局内に現地本部を設置するとともに、現場で立ち入り禁止の措置をとったり、豚の処分や周辺の消毒などを行うことになっています。

 続いて保健衛生所の職員が豚熱の発生状況を説明し、県内の感染の確認は全国のなかで少ない19頭ながら、発見されていないだけで蔓延している可能性も考えられるとし、「警戒が必要だ」と指摘しました。

 また防護服を着る訓練も行われ、つなぎ型のものを2枚重ねて着て、手袋、マスク、ゴーグルなどとの境目をテープで密閉していました。

 参加していた振興局の50代の男性は、「おととしに鳥インフルの現地で対応にあたったが、豚熱にも対応できるように役割を確認しておく」と話していました。

 秋田県鹿角地域振興局地域企画課では、「全県の豚の4割が鹿角地域で飼養されており、万一発生した時は、当該農場だけでなく地域経済への多大な影響が予想される。対策を確認しておく」としています。

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