鹿角市内でクマの出没が多発するなか、あやうく公共施設にクマが入りそうになる場面や、学校に出没して生徒たちが避難するケースも出ています。市が最大限の警戒を求めています。
16日午前9時25分ごろ、鹿角市花輪横丁の社会福祉協議会の事務所の前で、およそ80センチのクマが目撃されました。
事務所の中の出入り口そばにいた女性によりますと、大きな、どんという音に驚き、見ると、クマが自動ドアにぶつかっていたということです。
そのあと自動ドアが開きそうになり、建物の中にいた人たちが驚きの声を上げたところ、クマは事務所前の県道を横ぎり、道路向かいの建物の間に入っていったということです。
目撃した女性は、「クマにいつ襲われるか分からない状況になっていて、怖い。どのように対策をしたらいいのだろう」とおびえていました。
クマが出没したのは、住宅や店などが密集する地域です。
いっぽう、16日午前8時50分ごろ、鹿角市毛馬内の十和田中学校のグラウンドにクマがいるのを教師が目撃しました。
学校では、1階で授業を受けていた生徒たちを2階より上の階に避難させ、およそ10分後、クマの立ち去りを確認して授業を再開したということです。
鹿角市でことし、クマの出没が多発するなか、以前はなかった、人が往来する街なかや、人が活発に動く時間帯でも増えています。
また全国では、クマが民家に入って、はちあわせになった人を襲ったり、家の中にいた人が外に出ようと玄関の扉を開けた直後にクマに襲われた事故も起きています。
鹿角市農地林務課では、「一人一人がクマとの遭遇の可能性を自分事と捉えて、音を出して行動する、見とおしが悪い場所は安全を確認するなどの対策をしっかりとってほしい」と呼びかけています。
鹿角市ではことし、クマによる人身事故が5件起き、6人がけがをしています。またここしばらく、一日の目撃件数が10件程度にのぼる状況が続いています。
(写真はクリックすると見られます)