小坂町の鉄道のテーマパークで、ブルートレインの乗車の疑似体験をしたり、レールバイクなどの遊びが楽しめるイベントが始まりました。
これは、廃止された鉄道の駅がそのままテーマパークになっている「小坂鉄道レールパーク」が、10月14日の鉄道の日にちなんで開いている催しです。
初日の12日、寝台特急「あけぼの」の車両では、窓にはめ込んだスクリーンで寝台特急の車窓を撮影した映像を映すとともに、その音声にあわせてシートが振動する機械が設置されました。
体験した秋田市の小学2年の男の子は、「寝台特急が好きだし、こんな体験はしたことがないので、ものすごく楽しかった」と興奮していました。
また「ホッパ車」と呼ばれる、線路に敷く石をまく貨車の実演では、石に見立てたカラーボールが荷台から一斉に出されると、見ていた人たちから歓声が上がりました。
能代市の40代の男性は、「私も子どもも、保線車両が好きです。列車は決まった時刻に来ますが、動いている保線車両はほぼ見ることができないので、貴重な経験ができました」と喜んでいました。
今回、特別に用意されたのが、スペインの鉱山鉄道で使われている「鉄道鍋」です。町によりますと、冬の長距離、長時間の運行のため、蒸気機関車の蒸気を使って、乗務員たちが温かい料理を食べられるようにしようと、1900年初頭に開発されたものです。
大阪府島本町から訪れていた50代の男性は、「鉄道が好きで、各地のイベントに足を運んでいますが、これは初めて知りました。海外の文化、工夫にふれられて、うれしい」と話していました。
鍋を用意した町の地域おこし協力隊員で、明治百年プロデューサーの田代俊之さん(53)は、「スペインではこうした文化遺産が市民イベントで楽しまれており、同じ鉱山鉄道があった小坂で活用したくて輸入した。皆さんに歴史の証人になってほしい」と話しています。