鹿角市の昨年度、令和6年度の決算を審査する市議会の特別委員会が始まり、クマの出没が異常事態となるなか、対策の強化が求められました。
市内ではことし、クマの出没が過去最多となるとともに、人身事故も相次いでいます。
6日に始まった決算特別委員会で議員側からは、「昨年度もおりの設置や誘因木の伐採などをしたにも関わらず、クマが人の生活圏に多く出ている。クマを人里に近づけないために、もう一つ進んだ取り組みが必要だ」との意見がありました。
その提案として、捕獲用のおりを増やすことや、ほかに職業をもつ猟友会員よりも出動がスムーズになると期待される「公務員ハンター」の導入などがありました。
公務員ハンターの導入について市側は、「職務の整理や法の整合性を図る必要があり、国に制度の整備を求めている」などと答えました。
いっぽう、地域中核病院の厳しい経営状況が伝えられるなか、議員からは、「地域の医療の方向性について、早急に示すべきだ」と提案されました。
市は再来年の3月までにまとめる医療ビジョンのなかで、地元で実現可能な医療のあり方を整理することにしており、答弁では、「総枠を示すことは早くできても、地元の医療機関の声と市民の求めを集めたうえで構築したいため、時間がほしい」と理解を求めました。
市は医療ビジョンづくりで現在、中核病院以外の診療所も含めアンケートを行っているほか、市民の声を聞く場も設けることにしています。
いっぽう、老朽化が進む八幡平湯瀬の市の福祉施設「湯瀬ふれあいセンター」の方向性を問われた市側は、「市の施設としての運営は難しく、廃止する方向で検討している」と説明しました。
市によりますと、地元との話し合いのなかでは、現在、自治会から市が借りてセンターで使っている源泉について、センターの撤去後に自治会が活用していく方法を地元が検討しているということです。