森の復元めざし植樹 鹿角市花輪

森の復元めざし植樹 鹿角市花輪

 鹿角市花輪の尾根にある牧場の跡地を森に復元しようという植樹のイベントが、ことしも行われました。

 花輪市街地の東側の尾根、標高およそ800メートルの上沼地域は、国有林ですが、かつて牧場として使われていた場所だけ草原になっており、保水力が弱いため沢の崩落を招くなどしています。

 その150ヘクタールの草原を広葉樹の森に復元しようと、環境保全の団体が25年前から植樹を続けていて、主催者によりますと、去年までにあわせておよそ9ヘクタールに、2万本ほどを植えています。

 4日は会員や賛同者たち50人ほどが参加し、およそ50アールにブナやミズナラなどの幼い木千本ほどを植えました。

 参加者たちは、尾根の周りに広がる美しい景色のなかで、高さ50センチほどの苗に、ていねいに土をかけていました。

 家族4人で参加していた40代の女性は、「見晴らしが良くて、晴れやかな気もちになりました。子どもたちにも、自然を大切にする思いをもってほしい」と話していました。

 主催した「米代川源流自然の会」の宮野和秀会長(76)は、「ここは、希少な動植物を集めようと国が設定する、緑の回廊になっているが、クマが街に下りたりしてしまっている。森を戻して、動植物を帰したい」と話しています。

 いっぽうこの場所で風力発電所の建設が構想されているのに対し、「環境調査の様子を注視していく」としています。

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