鹿角市と小坂町の管内の労働市場は、求人の数が11年3か月ぶりに500人台まで縮小し、物価高による雇いびかえの傾向が表れています。
ハローワーク鹿角の8月末時点のまとめによりますと、企業からの求人の数は589人で、前の月から21人減りました。
管内の求人が500人台まで落ち込んだのは、平成26年5月以来、11年3か月ぶりです。去年は600人台から800人台で推移していました。
ハローワークによりますと、企業が物価高や、来年3月末の最低賃金の大幅引き上げを踏まえ、求人の提出をひかえている動きがあるということです。
対して、仕事を求めた人は486人で、前の月から19人減りました。
管内では近年、年度替わりの時期を中心に500人台、600人台まで増えたあと、400人台を中心に推移しています。
これらにより、仕事を求めた人一人に対し企業からの求人が何人あったかを示す有効求人倍率は、前の月と同じ1.21倍となりました。
求人倍率は長年、1.3倍台から2.1倍台の間で推移していましたが、3か月前におよそ10年ぶりに1.1倍台を割るまで急落し、その後、少しずつ上昇傾向にあります。
それにより、秋田県の平均の1.22倍、全国の平均の1.20倍並みを維持しています。
ハローワーク鹿角では、「求人数が少ないなかで求職者の希望に応えられるように、企業に条件緩和を提案し、動きがあった情報を迅速に求職者にマッチングしていく」としています。