ことしのクマの異常出没が、子どもたちの貴重な成功体験も奪っています。鹿角市の八幡平中学校の生徒たちが地元の国立公園でガイドをする催しがことし、クマに対する安全対策で中止されました。
これは、八幡平中学校で10年あまり続けられているもので、生徒たちが国立公園の八幡平の景勝地でガイドする日を設けています。
古里を深く知ることや、コミュニケーション能力を高めることなどが目的ですが、案内を受けた観光客からは、貴重な体験やしっかりした対応が喜ばれているだけでなく、中学生たちが古里を誇る姿に感動したと全国からお礼の手紙が届いています。
今年度も全校の70人が7月以降、ガイドマニュアルを作って、覚えたり、フリートークで使う、地元の名所や特産品を調査するなどしてきました。
ところが全国でことしクマの出没が多発していて、学区内でも先日、人身事故が起きたほか、グラウンドで目撃されるなどしており、学校は今年度の現地でのガイドを中止しました。
学校によりますと22日の臨時の全校集会で告げられた生徒のなかには、残念がる姿がみられたということです。
2年の女子生徒は、「ガイドすることを調べて、説明する練習を、ずっと続けてきました。ガイドをする、ほかのことができたらいい」と話していました。
学校では、「生徒たちからは、発表の場を奪われて残念という気もちと、クマのこの状況だから仕方がないと受け止めている様子がうかがえる。代替で、校内で発表し合う機会をつくりたいし、来年度については白紙だが、できれば継続したい」としています。
目標にされてきた昨年度のガイドの様子
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