10m先にクマ、危険な状況相次ぐ 鹿角市内

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 鹿角市内で16日、市道にいた人のすぐそばをクマが通り過ぎていったケースが2件報告され、これまでの目撃以上に危険な状況が表れています。市が緊急のメールを市民に発信するなど、厳重な警戒を呼びかけています。

 鹿角市内ではことし、平年を大幅に上回る数のクマの目撃が報告されていて、これまでも危険な状況ではあるものの、家や車の中から見たというケースがほとんどでした。

 しかし16日は、道路にいた人のそばをクマが通り過ぎていったという、極めて危険な状況が、2件相次ぎました。

 目撃したのはランニング中の男性と、登校中の男子高校生で、ともにおよそ10メートル先にクマがいたということです。2人にけがはありません。

 クマの生態に詳しい鹿角市農地林務課の青山真主幹は、「クマは人に気づいていたものの、人に慣れてしまっていて、関心を示さなかった可能性がある。クマが人に慣れ、行動する場所と時間が近づいている、極めて危険な状況にある」と指摘します。

 そして、「今回のケースが、クマが人に気づいた時に驚いた場合や、子連れの母グマであれば、人を襲っていた可能性もあった」とみています。

 そのうえで、「クマが、やぶや林などをつたって市街地の内部に入り込んでいる。外に出る時は周囲に気をつけるとともに、音を出して人の存在をアピールしてほしい」と呼びかけています。