鹿角市花輪で構想されている風力発電所の建設に反対する市民団体が、反対者千380人分の署名を鹿角市長に提出しました。
中心市街地の東およそ5キロの花輪上沼(うわぬま)では、尾根沿いに8キロほどにわたり、高さ200メートル前後の風車を20基程度建設する構想を2つの事業者が進めています。
これに反対する「青垣山の自然と景観を守る会」が16日、反対の署名千380筆を笹本市長に提出しました。
署名集めでは、ことし4月下旬以降、建設地が見える地域などの住宅に書面を配布し、手渡しや郵送で受け付けたということです。
署名した人は、市内の人がおよそ千100人、ほかは市外の県内の人や県外の人です。
笹本市長に署名を手渡した会員たちは、「市民に対し十分に説明できていないと思う」「これだけの数の反対が表明されており、重いものと受け止めてほしい」などと話しました。
笹本市長は、「地域に、一定数の反対の意見があると感じている。署名は誠意をもって受け止めます」と述べました。
会では署名集めはひと段落とし、今後は、具体的な問題点を市民に提示したり、先進建設地の住民から現状を聞く機会を設けるなどの活動を想定しているということです。
事業所による建設の構想は現在、4段階のうちの2番め、環境影響調査をどのように進めるかを示す「環境影響評価方法書」の提出までが終わっています。
市は、「事業者の計画が具体的に定まっていない」として、これまで賛否は示しておらず、市民団体の面会後、笹本市長は取材に対し、「一定数の市民の反対意見があることを受け止めた。環境、産業、文化の調和のバランスがとれる方向性を見いだしたい」としています。
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