鹿角市尾去沢に500年以上前から伝わるとされる神楽が奉納され、ことしデビューした小学生の笛の奏者もしっかり担いました。
鹿角市尾去沢尾去(おさり)にある八幡神社の年2回の例大祭では、かつて鹿角に繁栄と幸福をもたらした鉱山の発見にまつわる神楽「大森親山(しんざん)大権現舞」が奉納されています。
15日の秋の奉納では、ことし春の例大祭でデビューした鹿角市尾去沢新堀の小学5年、黒澤新(あらた)さんが、この日も大人5人ほどとともに、渡御と舞の奉納で笛の演奏を担いました。
そのうち舞の奉納では、10分ほどずつかかる2つの舞で、繰り返し続くメロディーをていねいに奏でていました。
演奏後、黒澤さんは、「緊張したけれど、いい演奏をしようと頑張ったので、練習よりもうまくできた」と、ほっとした表情を見せていました。
図書館の本で知ったこの神楽を見て、「笛を吹きたい」と思い、動画を見ながら一人で練習していたという黒澤さん。
保存会によりますと、保存会の門をたたいた時にはすでに演奏できる状態だったということで、女性と子どもは参加しないというしきたりはありましたが、担い手不足のなか、会員たちは彼の意欲を買いました。
黒澤さんは、「だれも新しい人が入らないとこのお祭りがなくなってしまうので、友達にも声をかけて一緒にやりたい」と話しています。
保存会の黒澤文男会長(78)は、「興味をもってくれる若い人がなかなか現れないので、しきたりよりも芸能を続けることを選びました。筋が良く、覚えもいいので、かねも太鼓もできるようになってもらい、ゆくゆくは主人公の舞もやってほしい」と話しています。
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