国が発表した人口などの調査結果によりますと、去年1年間の外国人の人口の増減率で、鹿角市が全国で3番めに高くなりました。企業の積極的な外国人材の受け入れが背景にあります。
総務省によることし1月1日時点の住民基本台帳に基づく人口などの発表によりますと、鹿角市の外国人の人口は202人で、人口増減率の46.38%は全国の区市町村のなかで3番めに高くなりました。
市の毎年12月31日時点の統計によりますと外国人の人口は、令和4年までは100人前後で推移していましたが、おととしに138人、そして去年に202人と急増しました。
去年の202人のうち、技能実習生が113人と全体の56%を占めており、今回の水準の急増の大きな要因になっています。
その受け入れ先を示す、秋田労働局の去年10月末時点の、小坂町を含むハローワーク鹿角管内の外国人労働者数122人の業種別の内訳では、製造業が62人と51%を占めるほか、建設業の27人、宿泊・飲食サービス業の13人と続いています。
管内では近年、行政による外国人労働者の受け入れ制度の周知や相談の取り組みが進んでいるほか、鹿角市が外国人従業員向けの社宅整備の補助金を設け、利用されています。
企業の積極的な雇用の背景には、長年の地元人材の不足により、受注の縮小や廃業の懸念もあるなか、企業力を維持したい狙いがあります。
こうした外国人の増加が、労働力の確保や、消費の拡大というメリットもあるなか、技能実習生は在留期限に制限があるため、定着や共生、ともに暮らす分野の取り組みが大事になっています。
鹿角国際交流協会によりますと、外国人向けの日本語教室の受講者が昨年度、前の年度のおよそ1.8倍に増えたほか、内外の人が交流するイベントや、地元の人が外国人にとってやさしい日本語を学ぶ教室なども開かれています。
鹿角市総合戦略室では、「多文化共生の思想の普及が重要になっている。外国人に寄り添う取り組みを充実させたい」としています。