風力発電構想に対し「調和が重要」 鹿角市の笹本市長

風力発電構想に対し「調和が重要」 鹿角市の笹本市長

 鹿角市の9月議会の一般質問が行われ、笹本市長は市内で構想されている風力発電所の建設に対する賛否について、これまでどおり示せる段階にないとするいっぽう、評価の基準について、自然、文化、産業の調和を挙げました。

 鹿角市花輪上沼(うわぬま)の尾根では、2つの事業者が、高さ200メートル前後の風車を20基程度建設しようと手続きを進めています。
 
 これに対し地元では、景観や自然の保護などの観点による反対と、再生可能エネルギーの必要性や経済効果などから推進を求める意見の両方が出ています。

 笹本市長はこれまで賛否を示しておらず、9日の一般質問で評価などが問われました。

 舘花一仁議員の質問のなかで、笹本市長は、「事業者の計画は環境影響評価の途中であり、風車の規模や数、配置など具体的に定まっていない」として、これまでどおり賛否は示しませんでした。

 評価する場合の基準については、「脱炭素社会への貢献や日本のエネルギー自給率の向上に加え、大規模な投資により産業振興が図られ、新たな投資の呼び水になる」と、建設の利点を挙げるいっぽう、「景観や環境面からの評価も必要」と条件を添えました。

 そのうえで、「自然と文化および産業の調和が図られることが重要と考えている」とまとめました。

 いっぽう、事業を実施する場合のポイントについて、「いかに地域社会に貢献できるか」だとし、「事業者が決定した段階で、具体的な地域貢献策の提示を求めていく」としました。

(写真はクリックすると見られます)

 いっぽう、管理者不在の墓の把握状況を佐藤大介議員に問われた市側は、「一昨年度に自治会区域内に墓地をもつ自治会長に調査し、131件を把握した。昨年度は墓石の有無の現地確認を行っており、今後も自治会長や近隣住民などからの情報収集をつうじて、把握に努めていく」と答えました。

 いっぽう、大湯温泉総合振興プラザの状況などを湯瀬弘充議員に問われた市側は、「29年度の時点では施設見学、会議などでの利用、館内で観光案内を行っている大湯温泉観光協会であわせて3千500人あまりの利用があったが、30年に道の駅おおゆが完成して以降、年々利用者が減り、昨年度は570人あまり。今後の適正な施設のあり方について検討していく」と説明しました。

 いっぽう、ネコの多頭飼育の崩壊への対応を保田直美議員に問われた市側は、「全国でボランティアなどの地域ネコ活動があるいっぽう、無責任な餌付けで周辺に問題を及ぼすケースも見受けられる。餌付けをした時点で飼養義務が発生することから、無責任な餌付けをしないよう広報などをつうじて周知している」としました。

 この日の一般質問では、病気で欠席した児玉悦朗議長に代わり成田哲男副議長が議事を進行したため、成田副議長の一般質問の通告は取り下げられました。