【リポート】市民駅伝に市長が出場 鹿角市八幡平

【リポート】市民駅伝に市長が出場 鹿角市八幡平

 鹿角市の市民駅伝に、あの人が出場して周囲を驚かせました。笹本市長です。この日は市民を激励するための参加ではなく、自治会チームのランナーの一人として、本気の出場です。

 市民の集まりに激励やお祝いで駆けつける公務もありますが、7日はTシャツにランニングパンツ姿で、八幡平地区駅伝の会場に現れた笹本市長。「走るんですか」と目を丸くする人もいました。

 オフの日も地域の催しに足を運ぶことが多く、コロナ明け以降、この大会に出ていなかった地元の集落の人たちを説得しての出場です。

 ことし4月、鹿角市で過去最年少の39歳での市長就任でしたが、学生時代はサッカーや登山などに励んだ一面ももちます。大会前は、公務の前後にジョギングやエアロバイクで備えていたそうです。

 各チームのエースがそろう1区の出場とあって、スタート以降、健脚たちにさすがに差をつけられましたが、4.9キロを走り切り、沿道の声援には手を振っていました。

 タイムは26分1秒と、一般のランナーとしてはなかなかの成績です。ゴール後は周囲が笑顔になり、「完走できてよかったですね」「楽しそうで何より」などと声を掛けられていました。

 ゴール直後ながら本人も笑顔で、インタビューには、「沿道の声援があったから走る側として元気をもらったし、市民駅伝は地域を元気にできる、いい場面だと思った」と話しました。

 そして、「市民の皆さんと、また距離が近くなった。市民の近いところにいる市長でいたい」と話していました。

 大会に長く携わっている男性は、50年ほど前の様子について、「A、B、Cとチームをいっぱいつくって、腹が出ている自分まで呼ばれた。遅いも速いも関係なく、みんなで走って、地域を盛り上げた。そうして絆も深めたものだった」と、うれしそうに話します。

 人口が減り、興味が多様化し、地域の人たちの集まる機会が減っている現代です。

 大会を主催した八幡平体育協会の髙見映昭(ひであき)会長(66)は、「地域の行事に出る人が減っているので、かつてはあった、大会に出て、お疲れさん会で楽しんで、次は何をしよう、そうしてまた人が集まるという好循環が大事になっている。市長の次は自分たちと、きっかけにしてもらえたらいい」と期待しています。

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