バッタ博士、前野さんが講演 鹿角市

バッタ博士、前野さんが講演 鹿角市

 「バッタ博士」として知られる昆虫学者で、ベストセラーの著書ももつ前野ウルド浩太郎さん(45)の講演会が鹿角市で開かれ、前野さんは自身の原点も示しつつ、「読書をつうじて、やりたいことをみつけてほしい」と呼びかけました。

 これは、市の十和田図書館の移転新築オープンを記念して市が開いたもので、6日、図書館の隣の十和田市民センターにおよそ200人が集まりました。

 前野さんはバッタの研究をつうじ、大量発生で飢餓に苦しむアフリカの人たちを救っている活動について、ユーモアも交えつつ、分かりやすく紹介しました。

 研究の原点については、「バッタの様々な研究がされているのに、ほとんどが研究室の中のもので、バッタが外で何をしているかが解明されていないことに気づいた。昆虫学者になる夢をかなえるために、フィールド調査が始まった」と説明しました。

 無収入の時期も乗り越え、国の研究機関の研究者に至った背景については、「以前はバッタの研究ができたらいいやと、自分のことしか考えていなかったが、自分がしたことがほかの人にどう役に立つかを考えていくと、好きなことが仕事になり、給料をもらえるようになった」と話しました。

 昆虫学者をめざしたきっかけは、秋田市に住んでいた小学生のころに図書館から借りてきた「ファーブル昆虫記」だったという前野さん。

 子どもたちもいる会場に向かい、「自分がやりたいことが見つからない時は、読書をつうじて、好きなことに気づいたり、将来の自分を想像したりしてほしい」と呼びかけました。

 会場には、バッタの生態の自由研究の成果が、図書館をつうじて前野さんに届き、返事をもらったという八幡平谷内の小学6年、阿部遼太郎さんもおり、「目の前で話を聞けて、気もちが高ぶった。自分も世界中で研究したい気もちが強くなった」と目を輝かせていました。

 十和田図書館のオープンは来月1日で、この日は内覧会も行われました。

 見学した錦木神田の70代の女性は、「光がたくさん入っていて、明るい雰囲気がいいですね。借りていくだけでなく、ここでくつろぎながら読書したい」と話していました。

(写真はクリックすると見られます)