人口を増加に転じさせた地方の町を研究している大学教授の講演が鹿角市の中学校であり、地元出身という立場もあわせ、中学生たちにエールが送られました。
鹿角市花輪出身で、持続可能な地域に必要な政策、仕組み、ルールについて研究している島根大学法文学部の関耕平教授(47)の講演が先月29日、八幡平中学校であり、全校およそ70人と地域の人たちが集まりました。
はじめに、人口を増加に転じさせた島根県海士町(あまちょう)の取り組みとして、地元にあるものを生かして、外から来た人が起業するという流れを地元がつくり、実現させた様子を紹介しました。
そして、「なりゆきの未来から、意志ある未来へとつながる道が開けた。大きな都市をまねるのではなく、この地域にしかないものを生かした」と説明しました。
いっぽう、1億2千万人の国民のなかの一人という立場と、2万6千人の鹿角市民のなかの一人という立場を取り上げ、「人口減少で、一人一人の重み、活躍できる余地が大きくなっている。皆さんは大きな力をもっている」と指摘しました。
そして、「ぜひ、地域の一員としての自分、地域社会と自分のつながりについて考えてほしい」と助言しました。
そのいっぽうで、「地元に残る理由が、地域を元気にするためでなくてもいい。安心できる環境、人間関係があるから残るという発想も、地域づくりで重要なこと」と述べました。
講話を聞いた3年の女子生徒は、「自分たちの地域について考えている人が多い町の良さを感じました。私も積極的に地域の行事に参加したり、いろいろな人と交流したい」と話していました。
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