かつて国内最大規模を誇った鉱山の跡地を中学生がガイドする催しが鹿角市尾去沢で行われ、施設の転換点を前に、生徒たちが熱のこもった活動を繰り広げました。
これは、尾去沢中学校が15年前から行ってきた取り組みです。案内をする技術だけでなく、かつてガイドだけだった活動の種類が増えるなど、年々レベルアップしています。
今年度は5月から、初となるインターネットでのPRや、ガイド、伝統芸能の披露などを全校の35人で準備し、30日の本番を迎えました。
観光坑道を案内した生徒たちは、フリップを使ったり、クイズを織り交ぜたりと工夫と熱意を込めたガイドを展開し、案内した人たちから驚きの声を受けたりしていました。
ガイドを務めた2年の女子生徒は、「特に大事なことをゆっくり話したり、指をさしたりして、分かりやすい案内を心がけました。大勢に、尾去沢鉱山は偉大だったと伝わってほしい」と話していました。
この日は卒業生も観覧者として訪れていて、高校1年の女子生徒は、「この活動で磨いたコミュニケーション力が、今、いろいろな場面で生きています。後輩たちにも、自信をもって自分の地域を案内してほしい」と話していました。
実は、施設は来年3月いっぱいで観光客への公開を取りやめ、教育分野に特化することが決まっています。
実行委員長を務めた3年、佐藤陽蒼(はるき)さんは、「この施設が長い間、魅力を伝え続けていることはすごいことだと思うし、中学生がガイドをして、自分の地域について詳しくなるのは良いことだと思う。活動がずっと続いてほしい」と話していました。
学校では、「コミュニケーション能力や地元の良さを伝える力が年々高まっている。一般公開の取りやめ後も活動を継続したい」としています。
(写真はクリックすると見られます)