鹿角市と小坂町を管轄する消防本部は、消防署が遠い地域などで心肺蘇生が必要な事案があった際に、救急車とは別に、サポーターに認定した近隣住民がAEDを持参して駆けつける制度の導入を発表しました。
これは、消防署から救急車が駆けつけるまでに時間がかかる、心肺蘇生が必要な事案について、救急隊が到着するまでの間、サポーターとして認定した住民に協力してもらおうというものです。
サポーターに認定する住民は、救急救命講習を受講した人で、必要な事案が発生した時に一斉にメールで知らされ、協力できる人がAEDを持参して駆けつけます。
鹿角広域消防本部によりますと、現在4台の救急車で対応していますが、すべてが出動している場合の5件めの救急事案、または3台が出動中に4件めの救急事案の発生場所が、残る1台から遠い場合などが、「5年に1回程度、ある時とない時がある」ということです。
25日、鹿角広域行政組合の管理者を務める笹本鹿角市長が記者会見で導入を発表しました。
笹本管理者は期待について、救命率の効果だけでなく、「人口が減少し、公的な体制が限られてくるなかで、住民と行政が協力しながら安心安全をつくることが今後大切になってくる。自分でできることに協力しようという機運づくりにつながってほしい」と話しました。
また位置づけについて、「役割を移管しようという導入ではない。住民に保管してもらいながら、安全安心をつくっていくという考えです」と説明しました。
すでに準備が整った鹿角市八幡平谷内の27人で、来月7日から運用が始まります。
消防本部はサポーターを増やしていきたい考えで、「比較的、消防署から遠い地域の自治会や事業所などを想定している」としています。
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