鹿角市の議員による職員へのパワハラを調べてきた議会の審査会は、調査項目のなかから1件のパワハラ的な行為を認定する報告書をまとめ、審査を終結しました。今後、対象議員からの2週間の意見の受け付け後に、報告書が公表されます。
鹿角市の政治倫理審査会は22日、8回めの会議を開き、「職員に対し過大な要求をして、嫌な思いをさせた」パワハラ的な行為1件を認定する報告書をまとめました。行為をした議員がだれかは、現時点では公表されていません。
審査が終結し、児玉悦朗議長に報告書を手渡した佐藤大介会長は、「認定があったことは残念」と述べました。
また審査をとおして感じたことについて、「職員へのハラスメントは、協力の申し出があった3件だけとは言えないと思う。議員側が反省し、冷静に行動していかなければいけない」と話しました。
今回の問題は、前市長の職員へのパワハラの疑いを調査中の去年7月、議員によるものも複数の職員から指摘されたため、議会が対応を協議しましたが、ことし3月の議員の任期中に調査を終えられない見とおしなどを理由に、調査しないことを一旦決めました。
いっぽうで議会が、パワハラ認定を受けた前市長に不信任決議案を提出するなどしていたなか、市民からの批判を受け、一転して調査することとしていて、改選後のことし4月、審査会の調査が始まり、疑いの判明から1年あまり経った今、審査が終結しました。
取材で児玉議長は、認定があったことについて、「被害を受けた職員、市民の皆さんに謝罪したい。議会としてどのように対応するかを検討していく」と述べました。
認定の内容については、「典型的な例だと感じた。あってはいけないことだと思う。もう一度議員の立場を勉強してほしいし、これからどういう気もちで議員活動をしていくかが問われる」と話しました。該当者が現職の議員かは明らかにしませんでした。
また、疑いの判明から審査の終結まで1年以上経っていることについては、「前市長に不信任案を突きつけたのに、自分たちには甘いという市民の声を十分承知しており、審査を厳粛に行うために政倫審を立ち上げた。理解してほしい」としています。
今後、条例に基づき、議長が前の任期の議員全員に審査結果を通知し、2週間の意見書の受付後、報告書と、提出があった場合の意見書がホームページで公表されます。
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