神事の運行や屋台の競演 「花輪ばやし」見どころ続く

神事の運行や屋台の競演 「花輪ばやし」見どころ続く

 ユネスコ無形文化遺産の鹿角市の伝統芸能「花輪祭の屋台行事(花輪ばやし)」は、神事の運行や屋台10台の競演が行われ、活気にあふれています。

 祭りの2日間とも行われる「駅前行事」は、10の町内の屋台すべてが競演し、見どころの一つと言われています。

 初日の19日、鹿角花輪駅の駅前広場に屋台が1台ずつ入場し、金箔と漆塗りが光る屋台が桟敷席に近づけられたり、「日本一の祭りばやし」とも言われるはやしのテンポが早くなったりすると、ひと際大きな拍手が送られていました。

 屋台の中では、若者たちが祭りを心から楽しんでいるといった姿を見せていて、「本ばやし」と呼ばれる伝承曲を躍動的に演奏していました。

 観覧した市内の70代の男性は、「おはやしを楽しそうにたたいている若者たちを見ていると、自分もですが、大勢を元気にしていると思うので、人が減ってたいへんでしょうが、頑張って続けてほしい」と話していました。

 いっぽう日付が20日に変わって午前0時、祭りの中枢に位置づけられる神事の運行「朝詰(あさづめ)」が始まりました。

 ご神体が里宮から「桝形(ますがた)」と呼ばれる、町の南側の入り口に移され、10の屋台が「本ばやし」を演奏しながら、もうでをしました。

 道中の各町内の境では、入っていく側と待ち受ける側が、境界の位置やあいさつのあり方などをめぐり外交をする、「町境」と呼ばれる行事が行われ、外交が決裂すると、屋台を向かい合わせてはやしの勇ましさを競う「ばち合わせ」を繰り広げました。

 そして夜どおしの祭りは明け方、各町内の屋台が枡形に到着し、それまでのにぎやかさから一転した厳粛な場面となり、一町ずつご神体の乗るみこしに向かって「得意曲」を奉納しました。

 いっぽう、10の町内の小中学生がはやしの出来を競ったコンクールは、舟場元町が最高賞を受賞しました。

 花輪ばやしは20日夜も午後6時半ごろに屋台の運行が再開され、駅前行事や、神社の参道の入り口「赤鳥居」へのもうでなどが行われる予定です。駅前行事の桟敷席は、当日でも購入できるということです。

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