自慢の囃子、子どもに伝承 花輪ばやしが開幕

自慢の囃子、子どもに伝承 花輪ばやしが開幕

 けんらん豪華な屋台と躍動的なはやしが見ものの鹿角市の伝統行事「花輪祭の屋台行事(花輪ばやし)」が開幕し、小中学生たちのパレードでスタートを飾りました。

 江戸中期にはすでに行われていたという文献がある花輪ばやしは、地域の守り神に感謝するはやしを演奏、奉納する祭りで、ユネスコの無形文化遺産と国の重要無形民俗文化財に登録、指定されています。

 初日の19日ははじめに、子どもたちの踊りと屋台が目ぬき通りをパレードする催しがありました。熱中症対策で、以前より2時間早い午前10時ごろのスタートです。

 地元の小中学校、保育所に通うおよそ300人がはやしの奏者と舞い手を務め、上の町内と下の町内の2か所から、町のほぼ中心にある交流プラザ前をめざしました。

 そろいのはんてんを着て扇を持った舞い手たちは、時折雨も降るなか、花輪ばやしの代表曲「本ばやし」を踊り、沿道の観衆から盛んな拍手を受けていました。

 2台の屋台が合流すると、屋台同士を向い合せてはやしの勇ましさを競う行事「ばち合わせ」と、「サンサ」と呼ばれる手締めの儀式が大人さながらに行われ、世界級の遺産の継承を誇りました。

 そして代表者たちが口上を行い、「世界に誇れる花輪ばやしの担い手、地域の一員として、伝統を受け継いでいきたい」などと述べました。

 見物していた秋田市の60代の女性は、「子どもたちが地元のお祭りに参加するのは、いいことだと思います。将来も担っていてほしい」と話していました。

 花輪ばやしは、21日未明まで各種の行事が続きます。

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