鹿角市の議員による職員へのパワハラを調べてきた議会の審査会は、調査項目の3件のうち1件をパワハラ的案件と認定したと明らかにしました。審査結果は、条例に基づき今後公表されます。
鹿角市の議会は、ことし2月に職員に行った無記名のアンケートで、11.6%にあたる27人が議員からパワハラを受けた、目撃したと答えたことから、前の任期の4年間を審査対象にした政治倫理審査会を設置しました。鹿角市での設置は27年度の条例化以降、初です。
審査会は、はじめに職員への実名のアンケートを行い、3人の議員による3件のパワハラの疑いについて、調査に協力する申し出がありました。
このため、職員と議員の両方から聞き取りをするなどして、パワハラに該当するかを審査してきました。
7回めの会議が18日、これまでと同様に非公開で開かれ、取材後に正副会長が取材に応じました。
そのなかで佐藤会長は、「3件のうち1件をパワハラ的案件と認定した」と明らかにしました。
内容については、具体的には議長への報告後に公表するとしつつ、「職員に対し議員が過大な要求をした。職員に嫌な思いをさせた事案」と説明しました。
行為をした議員の名前についても、「現段階では控える」と述べました。
パワハラではなくパワハラ的としている理由については、「議員と職員は、上司と部下のような関係性にないため」としています。
パワハラ的案件が1件認定されたことについて、市議会の児玉悦朗議長は、「重く受け止めなければいけない。一人ではなく、議会全体のものと捉え、議会がどう変わらなければいけないかを検討していく」と話しています。
今後、9月議会の前に審査会から議長に報告書が提出される見とおしで、議長が市民に公表することになっています。
(写真はクリックすると見られます)