鹿角市の議会の常任委員会が開かれ、クマの目撃と食害が過去に例がない多さとなっていることが市から報告され、議員たちから適切な対応が求められました。
3つの常任委員会が開かれた18日、産業建設委員会ではクマの出没の異常事態を市が報告し、およそ15分にわたり集中的に話し合われました。
市の報告によりますと、先月までの目撃の報告の218件は、去年1年間の件数をすでに超えるとともに、先月一か月間の110件は平年のおよそ3倍にのぼっています。
またクマによるものとみられる農作物などの食害の報告は、先月1か月間に29件あり、こちらも平年の7月一か月間のおよそ3倍となっています。
そのうえで市は人身事故の予防策として、出没を市民にメールで速やかに伝えたり、警察とともに現地の確認や周辺での注意喚起をしていることを説明しました。
また出没の増加が見込まれる秋に備え、緊急的に予備費の予算を使って、捕獲用のおりとカメラの増設を行ったこと、それに、大量出没したおととしと同じ規模の予算で対応できるように、9月議会に予算の追加を提案する予定を示しました。
議員側は、「必要な対策のレベルが変わってきている」と危機感を示し、十分な対策を求めたほか、「山に手が入らなくなったことでクマが里に下りてきていると考えら、山の巡回も必要だと思う」などの提案がありました。
いっぽう議員から、先日北海道で起きた、人に慣れているクマによるものとみられる人身事故を取り上げ、市内の状況を問われた市側は、「つきまといの報告はないが、小屋に繰り返し入るなど、人の所有物に興味をもつ個体が出ており、警戒を高めている」としました。
(写真はクリックすると見られます)