夏の空に勇壮な音を響かせる 大湯大太鼓まつり

夏の空に勇壮な音を響かせる 大湯大太鼓まつり

 鹿角市の秋田県無形民俗文化財「大湯大太鼓」のまつりが行われ、叩き手たちが夏の空に勇壮な音を響かせました。

 大湯大太鼓は、直径およそ1.2メートル、重さ40キロほどある大太鼓を4人がかりで担ぎ、うち1人がばちで叩いて迫力ある音を響かせます。

 戦国時代に南部の兵士の士気を高めようと打ち鳴らしたのが始まりと言われ、現代では各集落での盆踊りのほか、保存と技術の向上を目的とした「大湯大太鼓まつり」で叩かれています。

 そのまつりがことしも8月15日にあり、はじめに町の中心にあるお寺で、「供養太鼓」と呼ばれる行事が行われました。

 担い手たちが5つの太鼓を持って集まり、6つある伝承曲のなかから、「大湯第二大拍子」や「五拍子」などを演奏しました。

 太鼓を叩いた若者や子どもたちのばちさばきは見事にそろっていて、暑い日差しの下、重厚な音を響かせていました。

 太鼓を叩いた小学4年の男子児童は、「太鼓は大きな音が出るから、たたいているとうれしくなる。友達たちにも、太鼓は面白いよと教えて、たたく人を増やしたい」と話していました。

 保存会をめぐっては、支える役を長らく担っていた、前会長の中村三千夫さんが先月亡くなっており、ことしの供養太鼓は特別なものとなりました。

 大湯大太鼓保存会の湯瀬誠喜会長(64)は、「中村さんに本当にお世話になった。大湯の子どもそのものが少なくなっていて、5年後、10年後を考えると厳しいものがあるが、若組だけでなく、町内会、自治会にも働きかけて、保存、継承に努める」と話しています。

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