鹿角市と小坂町の管内の労働市場は、求人倍率がおよそ10年ぶりの1.1倍前後が3か月連続で続いていて、高齢の求職者の大幅な増加の影響が続いています。
ハローワーク鹿角の6月末時点のまとめによりますと、企業からの求人の数は618人で、前の月から3人減りました。
去年秋の県内での最低賃金の引き上げの影響や、資材など物価の高騰を受け、企業側で採用の抑制が続いています。去年の上半期は700人台から800人台で推移していました。
求人が多く出されている業種は、建設業、飲食店・宿泊業、それに製造業です。
対して仕事を求めた人は550人で、前の月から19人減りました。
2か月前におよそ4年ぶりとなる600人台に一気に増えたあと、徐々に減っていますが、4か月連続で500人台が続いています。
ハローワーク鹿角によりますと、年度の切り替わりで雇用期間が終了した65歳以上の求職者が急増し、その影響が全体に広がっているとみられるということです。
これらにより、仕事を求めた人一人に対し企業からの求人が何人あったかを示す有効求人倍率は、前の月を0.03ポイント上回る1.12倍となりました。
求人倍率は長年、1.3倍台から2.1倍台の間で推移していましたが、2か月前におよそ10年ぶりに1.1倍台を割り、その後も1.1倍前後が続いています。
秋田県の平均は1.2倍、全国の平均は1.22倍です。
ハローワーク鹿角では、「雇用期間が満了した人たちが一気に求職に動いた影響が続いている。企業側の求人を減らす状況も続いており、企業に条件の緩和を提案するとともに、変更があった情報を求職者に提供していく」としています。