鹿角市花輪で構想されている風力発電所の建設に反対する市民団体が、建設を計画する事業者に質問をする集会が開かれました。
中心市街地からも見える花輪上沼(うわぬま)の尾根では、2つの事業者が高さ200メートル前後の風車を20基程度建設しようと手続きを進めています。
これに反対する市民団体が、事業の見とおしや終了後の現状復旧のあり方などを事業者から聞こうと、10日夜、花輪の「コモッセ」で集会を開き、市民およそ60人が集まりました。
市民側が「収入の見込みや建設費などを試算したが、利益が出るか疑問だ」「地元への協力金があると聞いたが、出せるのか」などと尋ねたのに対し事業者側は、「売電の最低価格の保証がある」「地元への協力金はおり込んでいる」などと答えました。
「25年で事業を完了する可能性があると聞くが、完了後にあの山が現状に戻るのか」との問いでは、「原則はすべて取り除くことだが、地中に打ち込む杭は岩盤層まで打つので、安定のため残す可能性がある」と回答がありました。
また、「事業を終了した時に現状復旧費が残っていないケースはないか」との質問には、「国の考えに基づき、建設費の5%を積み立てることを想定している」と答えられました。
会場からも質問があり、「どうして鹿角に建てるのか」と問われたのに対し事業者側は、「風が良く、風車を運べて、電線につなげられる」などとしたほか、いっぽうの事業者は、「社長が鹿角の出身で、貢献したい」との考えを示しました。
訪れていた市内の50代の男性は、「負の影響、経済波及効果のどちらもはっきり示されていないから、賛成、反対ができない。景観の変化がイメージ図ではなく具体的に知りたいし、建設された場合の地元のメリットも、先進地の例などを使って確実な形で示してほしい」と話していました。
主催した「青垣山の自然と景観を守る会」では、「負の遺産を残さないために、今何をすべきかを市民で考えていきたい」としています。
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