鹿角市の伝統行事「花輪ねぷた」は、最終日の8日夜、最大の見どころの眠り流しが幻想的に繰り広げられました。
花輪ねぷたは、暑さからくる眠気でけがをするなどの厄を流そうと、「七夕行事」と「眠り流し」を組み合わせたものと言われ、行事の最後に絵灯ろうを燃やす光景は幻想的で、最大の見どころです。
8日夜、花輪舟場元町の稲村橋に、高さおよそ5メートルの、将棋の駒の形をした絵灯ろうが10台並べられ、勇壮な武者絵などがずらりと闇夜に浮かび上がりました。
そして各町内を仕切る頭(かしら)と呼ばれる人たちが、独特の手締め「サンサ」をしたあと、絵灯ろうに一斉に火が放たれました。
次々と打ち上がる花火を背に、若者たちが精魂込めて描き上げた武者絵がはかなく燃える光景は幻想的で、観覧者たちの目をくぎづけにしていました。
そして燃える武者絵の真下で、「一里四方に響き渡る」と言われる、直径およそ2メートルの大太鼓を若者たちが勇ましく打ち鳴らし、夏の夜空にとどろかせていました。
大館市から訪れていた60代の女性は、「初めて見ましたが、大太鼓をバックに武者絵が燃える光景は、とても印象的です。また見に来たい」と話していました。
また大太鼓をたたいていた小学3年の男の子は、「花輪ばやしの太鼓もたたいているけれど、こっちの方が楽しいです。みんなが応援してくれているので、力がたくさん出てきます」と張り切っていました。
花輪ではこのあとお盆をはさみ、19日と20日に開かれる市内最大の祭り「花輪祭の屋台行事(花輪ばやし)」の準備が佳境を迎え、街が祭り一色に染まっていきます。
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