戦争で犠牲になった人たちを追悼するとともに、平和への思いを新たにする催しが鹿角市で開かれました。
千500人を超える戦没者を出した鹿角市では8日、市が主催する顕彰式が花輪の複合施設「コモッセ」で行われました。
戦争で犠牲になった人の遺族など、およそ80人が参列しました。
笹本市長が式辞で、「二度と戦争が繰り返されない、恒久平和への誓いを心新たに決意する」などと述べました。
そして、戦没者の追悼と平和を祈り、参列者全員で黙とうをささげました。
続いて各地区の遺族会の代表などが順に慰霊碑に向かい、献花をささげました。
また遺族を代表し、父を東シナ海で失った鹿角郡市遺族会の会長、中村敦(あつし)さん(82)が平和への誓いを述べました。
中村さんは、「戦後世代が国民の大多数を占めるにあたり、平和の裏に多くの尊い犠牲があったことを後世に伝え継いでいかなくてはならない。高齢化で会員が激減しつつあるが、力をあわせてご英霊の顕彰と郷土の発展に尽くす」などと述べました。
ことしは新たな取り組みで、市内の小中学校と放課後児童クラブ、市民センターなどで募集した折り鶴およそ5千羽が祭壇に捧げられました。
終戦からちょうど80年を数え、遺族会の高齢化で戦争の記憶の風化が懸念されており、戦争の悲惨さを語り継ぐことが欠かせなくなっています。
鹿角市福祉総務課では、「戦争の話を直接聞く機会が減っている。若い人たちに平和の尊さを伝えていきたい」としています。
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