来年春に鹿角管内の高校を卒業予定で、県内への就職を希望している生徒の数が、統計がある平成元年以降で最も少なくなっていて、地元の関係機関が危機感を募らせています。
ハローワーク鹿角の6月末のまとめによりますと、管内の高校、支援学校の2校で来年春に卒業を予定する生徒のうち就職の希望者は、全体のおよそ3割の46人で、前の年度から1人増えています。
そのうち県内の希望者は、前の年より9人少ない28人で、統計がある平成元年以降で最も少なくなっています。
それに対し県外の希望者は18人で、前の年度から10人増えており、生徒の県外志向が表れています。
就職希望者全体のうち県内の希望率は、前の年から21%減って、61%となっています。
就職希望者全体の人数の減少が続くなか、県内希望がおよそ10人減るいっぽうで、県外希望がおよそ10人増えているという状況に、地元の関係機関が危機感を募らせています。
いっぽう、高校卒業予定者に対する管内の事業所からの求人はこの時点で、53社の135人で、前の年から8社、32人それぞれ減っていますが、地元就職を希望する生徒の数を大きく上回っています。
高校生一人に対し事業所から何人の求人があるかを示す管内の求人倍率は4.82倍で、前の年を0.31ポイント上回り、依然として高水準の人材不足を表しています。
ハローワーク鹿角では、「コロナ禍に県外への就職を敬遠する動きがあったが、再び県外へ目が向いているとみられる。地元への就職を増やすため、企業の魅力について、生徒と、進路の決定に大きくかかわる保護者に伝えていく」としています。
新規高卒者の就職に向けては、来月5日に推薦が始まり、16日に就職試験が解禁されます。