第78回十和田八幡平駅伝競走全国大会は2日にレースが行われ、コモディイイダ(東京)が逆転で初優勝を果たしました。
酷暑、急こう配の難コースで知られる大会はことしも、青森県十和田市の十和田湖休屋から鹿角市八幡平大沼までの5区間、71.4キロで行われ、去年より4チーム多い17チームがたすきをつなぎました。
コモディイイダは会沢陽之介監督(49)の構想どおり、2区でトップに立ちましたが、中盤はライバルチームのエースたちに先行され、4区が終わった時点で、トップと1分32秒差の4位でした。
去年まで3年連続の2位で、会沢監督の「また2位か」との思いを払拭したのは、アンカー、金子晃裕(あきひろ)選手(31)の快走でした。
「欲張らない。自分ができる、ぎりぎりで攻める」と落ち着いていました。急な坂が続くアスピーテラインに入ってから差を詰め、勝負所とみていた、勾配が少しだけ緩くなる、残り3キロ以降。トップに躍り出て一気にスパートし、区間トップのタイムでゴールです。
金子選手が難所の5区を走るのは5回めで、4回めの区間賞です。「コースを熟知しているのも勝因。残り3キロに、いかに体力を残せるか。ゴールで体力をゼロにすることを考えながら、走り方を変えつつ、ぎりぎりで攻め続けられた」と会心のレースを振り返りました。
会沢監督はレース後、「やっと優勝できた」と満面の笑みです。
勝因について、「全員が、前の選手に離されても、力を振り絞ってつないでくれた。それが金子の力になった」と話しました。
実業団の駅伝日本一を決めるニューイヤー駅伝にことし、6年ぶりに届いておらず、チームに勢いづけようと、今回、1位にこだわっていました。
会沢監督は、「これで選手たちが、自分たちがやってきたことが間違いないと思ってくれる。ニューイヤー駅伝にいい形で向かえる」とさらに前を見ていました。
レースの2位は、3年前に陸上部が発足したばかりで、おととし3位、去年4位と入賞を続けてきた富士山GX(山梨)。3位は初出場の中央発條(愛知)でした。
(写真はクリックすると見られます)