災害時に対応が遅れがちな口腔ケアを充実してもらおうと、鹿角市の歯科診療所が高齢者施設にケア用品を寄贈しました。
これは、八幡平の高齢者施設「いこいの里」の入所者の往診などをしている、花輪の「あんどう歯科医院」が、災害時に使ってもらおうと、歯ブラシや入れ歯の洗浄剤などケア用品およそ400点を施設に贈ったものです。
31日に施設で寄贈式が行われ、安藤克行院長(66)から施設の代表に目録が手渡されました。
安藤院長によりますと、災害時は一般的なけがや病気の対応で手いっぱいになり、口腔ケアが遅れがちになるケースがあるということです。
実際に、災害のあとには、口の中の状態が悪いことに起因した誤えん性肺炎による死亡が増えるというデータや、去年の能登半島地震では、避難中のストレスからできた口内炎による傷みで食事が進まず、栄養が不足した人がいたということです。
安藤院長は、「災害時には口腔ケアが遅れがちで、高齢者は特に注意が必要です。災害が頻発しており、万一の備えにしてほしい」と話しています。
寄贈された用品は、施設に備えておき、万一の災害時に使うということです。
施設を運営する「翠峰会(すいほうかい)」の熊谷紀史(としふみ)理事長は、「口腔ケアアは重要であり、たいへんありがたい。万一の時は地域の人たちにも使ってもらう」としています。
(写真はクリックすると見られます)