今月24日に鹿角市八幡平の住宅で起きた殺人未遂事件。近所の人たちをおびえさせるいっぽう、容疑者の不可解な行動がありました。
警察によりますと、24日、八幡平川部(かわべ)の住宅に押し入った男が、中にいた女性の首や胸を包丁で刺すなどする事件があり、29日、八幡平荒町の職業不詳、畠山智行容疑者、41歳が、殺人未遂の容疑で警察に逮捕されました。
現場は、農地などに囲まれた、20数軒が暮らす小さな集落です。
近所の人たちによりますと、容疑者の男はこの日午前6時ごろ、自転車で集落に入りました。男の自宅は隣の集落ですが、どこから来たかは分かっていません。
はじめに集落の東端にある元店舗の建物に入り、置いてあったビール1本をつかみ、走らずに歩いて外に出ていったそうです。
そして集落の西側の端まで行き、被害者の家で犯行に及んだとみられます。
女性の悲鳴を聞き、最初に駆けつけた近所の男性によりますと、容疑者の男は女性に馬乗りになっていて、持っていた包丁を男性が取り上げようとすると逆らうことはなく、玄関から外へ出ていったということです。
次に被害者の家を訪れた近所の夫婦も、女性の悲鳴を聞いて駆けつけました。夫は、「女性がギャー、ギャーと叫んでいた。クマが入ったかなと思って走っていくと、首を切られて、血だらけだった」と振り返っています。
容疑者の男は犯行後、乗ってきた自転車に乗り、集落の外に出ました。しかしその後、再び集落に戻ってきました。
その様子を見ていた男性は、「裸足で自転車に乗って、集落の外から入ってくる道を、慌てることなく、平然とした顔で、走っていた。後ろにはパトカーがいて、止まりなさい、止まりなさいとマイクで言われていた」と話しています。
そして容疑者の男は、集落の人たちが集まっていた被害者の家の前を再び通り、集落の外に出ていったということです。
近くに住む人は、「犯行前に集落の真ん中を通っていたのだから、だれの家に入ってもおかしくなかったかもしれない」と言って首をすくめていました。
警察によりますと、容疑者、被害者とも面識がないと話しているそうで、警察が動機などを調べています。