更生の支援で市民集会 社明運動、鹿角市

更生の支援で市民集会 社明運動、鹿角市

 犯罪や非行の防止と、罪を犯した人の更生に理解を深めようという運動をアピールする市民集会が、鹿角市で開かれました。

 社会を明るくする運動は、法務省を中心に呼びかける全国的な取り組みで、ことしで75回めを数えます。

 これに関する鹿角市の市民集会が19日、花輪の複合施設「コモッセ」であり、保護司会や更生保護女性の会の会員、高校生など市民およそ100人が参加しました。

 はじめに主催者の笹本市長があいさつし、「安全、安心な地域づくりのためには、犯罪や非行から立ち直ろうとする人を受け入れ、社会で孤立しないように、地域の力で立ち直りを支えていくことが重要です」と述べ、協力を求めました。

 続いて、内閣総理大臣のメッセージを鹿角高校の3年、内藤雪乃生徒会長が読み上げ、「多くの人に、立ち直り支援の活動を知ってもらい、協力の輪を広げましょう」と運動をアピールしました。

 続いて秋田保護観察所の富田潤一所長が講演し、非行や犯罪の検挙人数が減るいっぽうで再犯率は上昇していて、おととしはおよそ47%と半数近くに及んだことを説明しました。

 また罪を犯した人は、住む場所がない、仕事がない、家庭内が不仲、それに障害や高齢など、生きづらさ、ハンディキャップがあるケースが多いと指摘しました。

 そのうえで、「犯罪や非行の背景には、単なるわがままや性格だけでなく、様々な生きづらさやハンディキャップがあることを理解し、一人一人ができる範囲で立ち直りに協力、支援してほしい」と呼びかけました。

 訪れていた保護司の70代の男性は、「きょうの参加者も少ないが、市民の理解、関心の薄さが気になっている。運動について大勢の人が考える、参加できるようになるといい」と話していました。

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