十和田湖で初の合同訓練 秋田と青森の消防本部

十和田湖で初の合同訓練 秋田と青森の消防本部

 水の事故が増える時期を迎え、十和田湖を管轄する秋田と青森の消防本部合同による水難救助訓練が青森県十和田市で行われ、参加者たちが連携のあり方を確認しました。

 秋田側の鹿角広域消防本部と青森側の十和田地域広域事務組合消防本部は、十和田湖エリアでの出動事案に対し、互いのエリアに問わず対応する協定を結んでいます。

 連携を強化しようという初の合同訓練が18日、十和田市宇樽部(うたるべ)の桟橋周辺で行われ、両本部の救助隊員など40人あまりが参加しました。

 県境付近で、転覆したボートにしがみついている男性がいるという通報があった想定で行われ、はじめに2つの本部が隣り合わせで現地指揮本部を設けました。

 男性を助け出すと、湖に転落した人がほかに2人いることが分かり、それぞれの現地本部で転落地点などの情報を共有しました。

 そして、青森側はエンジン付きの救助艇で、秋田側は手こぎのゴムボートで、それぞれの特性を生かしながら活動し、潜水隊員たちがおぼれた人の代わりの人形を水の中で探し出すと、ボートで桟橋まで運びました。

 桟橋では2つの本部の隊員たちが合同で対応にあたり、声を掛け合いながら、人形をボートから桟橋に引き上げていました。

 鹿角広域消防本部によりますと、十和田湖では数年に一度程度、ボートに乗っていた人や釣りをしていた人の転落などがあり、それぞれの本部が対応にあたっています。

 鹿角広域消防本部の小鴨祐(おがも・ゆう)救助隊長は、「お互いで資機材や救助方法が違い、互いの強みを把握できた。これから水難事故が懸念される時期を迎えるので、万全の対応で備えたい」と話しています。

(写真はクリックすると見られます)