世界文化遺産の鹿角市の縄文遺跡「大湯環状列石」の大規模な整備に向けた検討委員会が開かれ、専門家たちが助言を寄せました。
市は平成10年からおよそ15年間の遺跡の環境整備で、遺構の復元や、園路の整備、ガイダンス施設の建設などをしました。
その着手から25年あまりが経ち、世界文化遺産への登録や新たに出てきた課題への対応が必要になっており、市は第二次の環境整備を来年度から10年間で行う方針です。
これについて専門家から意見を受ける検討委員会が16日に大湯ストーンサークル館で開かれ、市が整備の方針案などを示しました。
遺跡の中央にある県道は移設が決まっていますが、時期について県は、「少なくとも、今回の10年間ではできない」との見解を示しています。
これを踏まえ委員たちからは、「移設は見すえながらも、10年間の計画のなかでは具体的には示さない、二段階の捉え方がいいのではないか」と提案されました。
さらに、遺跡内の園路の配置についても、県道の移設によって内容が変わるため、現時点では明確にしないものの、課題点や将来を見すえることが求められました。
いっぽう、万座環状列石の周囲に復元している建物について、柱が腐食するという課題が出ていますが、「発掘された柱の跡が、建物のために立っていたことは分かっており、土台を強化したうえで復元すべきだ」などの意見が出されました。
市では、「この10年でするべきことと、県道の移設やストーンサークル館の整備など時間がかかるものを明確に分けて、整備計画を示したい」としています。
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